年金で足りる?先に「収入の目安」を押さえる
老後の主な収入は公的年金です。年金額は加入状況で個人差が大きいため、まずは「制度としての目安」を知り、その後に自分の見込み額を確認する流れがおすすめです。
国民年金(老齢基礎年金)の満額
国民年金は、条件を満たしたうえで保険料を40年分すべて納めた場合に満額となります。令和7年度の満額は月額6.9万円台が目安です(生年月日で金額が異なる注記があります)。
厚生年金のモデル(標準的な年金額)
会社員期間が長い人は厚生年金が上乗せされます。制度の説明として、夫婦2人分の基礎年金を含む「標準的な年金額(モデルケース)」が公表されており、令和7年度は月額23.2万円台が示されています。
ここは「平均」ではなくモデル値なので、あなたの受給額の確定ではありません。とはいえ、生活費の検討を始めるときの土台にはなります。
安心かどうかは「住まい」で大きく変わる
老後の生活費で一番差が出やすいのは住まいです。
持ち家でも「0円」ではない
持ち家でも、固定資産税、火災保険、マンションなら管理費・修繕積立金、戸建てなら修繕費の積立が必要です。「家賃がない=安心」と決めつけず、毎月の積立として見込んでおくと計画が安定します。
賃貸は「家賃+更新・引っ越しの可能性」も
賃貸の場合は家賃がそのまま固定費になります。将来、住み替えが必要になる可能性もあるため、更新料や引っ越し費用が出るケースも想定しておくと安心です。
「月いくらあれば安心?」を作る3ステップ
ステップ1:まずは統計の平均をベースに置く
- 夫婦:消費支出「約25.7万円」
- 単身:消費支出「約14.9万円」
ここに、あなたの住まい・車・保険などの固定費を確認して足し引きします。
ステップ2:年単位の出費は「毎月の予備費」に変換する
家電の買い替え、住まいの修繕、冠婚葬祭など、毎月は出ない出費は、年間の想定額を12で割って毎月の積立(予備費)として確保しておくと安心です。
ステップ3:医療・介護は「増える前提」で余白を残す
医療費や介護は、若い老後(60代後半)よりも、年齢が上がるほど増えやすい傾向があります。今の支出が低めに見えても、将来の変化に備えて「最初から余白」を作っておくと、後で慌てにくくなります。
ケース別:安心ラインの作り方(イメージ例)
ここでは、統計の平均を土台に「考え方」を示します。あなたの金額を決めるときは、固定費と予備費をあなたの状況に合わせて置き換えてください。
夫婦・持ち家(家賃なし)
- 土台:消費支出 約25.7万円
- 上乗せ:住まいの維持(管理費・修繕積立・修繕の積立など)+予備費
持ち家でも、修繕や設備更新が重なる時期があります。「月々の積立」として組み込むと安心です。
夫婦・賃貸(家賃あり)
- 土台:消費支出 約25.7万円
- 上乗せ:家賃(固定費)+予備費
家賃が加わる分、年金だけで足りるかの確認がより重要になります。必要なら、現役のうちから住み替えの選択肢も含めて検討すると現実的です。
単身・持ち家(家賃なし)
- 土台:消費支出 約14.9万円
- 上乗せ:住まいの維持+予備費
単身は、病気や介護などの局面で頼れる手が減りやすい分、「お金でカバーする場面」が出やすいこともあります。予備費は薄くしすぎない方が安心です。
今すぐできるチェックリスト
- 年金見込み額(ねんきん定期便等)を確認する
- 住まいの固定費(管理費・修繕積立・家賃・駐車場)を洗い出す
- 車の維持費を年額で把握する
- 年に1回以上ある出費(家電、旅行、冠婚葬祭)をリスト化し、毎月の積立に変換する
- 医療・介護の「増える可能性」を前提に、余白を残す
老後の安心は、「平均より多い/少ない」よりも、「自分の固定費と、波のある支出を見える化できているか」で決まりやすいです。まずは平均を土台にして、あなた用の安心ラインを作ってみてください。





